チュートリアル講演会

TS 1: センシング基礎技術 6日(水)9:30~12:45
9:30~11:00 (90分)
次世代の局所特徴量 ~高速かつメモリ消費量の少ない特徴量記述~
講師:安倍 満(デンソーアイティーラボラトリ)

略歴:
2007年慶應義塾大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。
2007年株式会社デンソーアイティーラボラトリ入社、現在に至る。パターン認識・理解、コンピュータビジョンの研究に従事。
2011年画像センシングシンポジウム(SSII)オーディエンス賞。2011年画像の認識・理解シンポジウム(MIRU)インタラクティブセッション賞。
 局所特徴量とは、複数の画像から類似するパターンを見つけるための優れた方法であり、画像検索・物体認識・三次元復元などといった様々な目的に活用されています。
代表的な手法であるSIFTが提案されてから10年以上が過ぎましたが、今ではSIFTの計算速度、メモリ消費量の問題を解決した新たな局所特徴量が提案されています。本講演では、SIFT以後に提案されてきた最新の局所特徴量について解説します。

【こんな方にお薦め】
・低スペックなCPUで局所特徴量を活用したい方
・SIFT特徴量の計算速度・メモリ消費量に不満のある方
・画像特徴量の設計に興味のある方



11:15~12:45 (90分)
幾何学的推定のための最適化手法 ~最小化を越えて~
講師:金谷 健一(岡山大学)

略歴:
1979年東京大学大学院工学系研究科計数工学専門課程(博士課程)修了。工学博士。群馬大学工学部情報工学科助手、助教授、教授を経て、2001年より岡山大学大学院自然科学研究科教授。この間、米国メリーランド大学客員研究員(1985-1986年、1992年)、デンマークコペンハーゲン大学客員研究員(1998年)、英国オックスフォード大学客員研究員(1991年)、フランスINRIA研究所客員研究員(1998年)。
コンピュータビジョンの数理解析に従事。
1987年情報処理学会論文賞、1999年電気通信普及財団賞、2005年船井情報科学振興財団船井情報科学振興賞、2005年電子情報通信学会論文賞、2009年画像ビデオ技術環太平洋シンポジウム(PSIVT)最優秀論文賞、2009年IAPRマシンビジョン国際会議(MVA)10年間最重要論文賞など受賞。
2002年IEEEフェロー就任。
 コンピュータビジョンの最も重要な基礎技術の一つは誤差のあるデータから対象の2次元および3次元形状を計算することです。その方法として従来は、あるコスト関数を最小にするようにパラメータを定めることが普通でした。一方、統計学ではそのような最小化によらない方法も使われています。本講演では、コンピュータビジョンのための最小化に基づく推定法と、最小化によらない推定法を総合的にまとめて紹介します。

【こんな方にお薦め】
・理論が好きな方
・「最適化」=「関数の最大/最小化」と思い込んでいる方
・難しそうな統計用語に悩まされている方
TS 2: 時系列画像処理技術 6日(水)13:45~17:30
13:45~15:45 (120分)
2D&3Dレジストレーション ~画像と3次元点群の合わせ方~
講師:玉木 徹(広島大学)

略歴:
2001年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程後期課程了。同年新潟大学工学部情報工学科助手。2005年より広島大学大学院工学研究科情報工学専攻准教授。
画像認識、コンピュータビジョンの研究・教育に従事。博士(工学)。
MIRU2007/2006インタラクティブセッション優秀賞等賞。
翻訳書にRichard Szeliski著「コンピュータビジョン ─ アルゴリズムと応用 ─」(2012年末予定)。
講師:林 昌希(慶應義塾大学)

略歴:
2006年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程前期課程修了。同年株式会社東陽テクニカ入社。2011年同退職。2011年9月より慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程後期課程在学中。
慶應義塾大学理工学部青木研究室において、デジタルヒューマンモデルを用いたコンピュータビジョン技術を研究中。
2011年4月より、マイナビにて「コンピュータビジョンのセカイ ─ 今そこにある未来」を連載中。
 多数の画像から大きなパノラマ画像を作成したことはありませんか?そこに用いられているのが、画像と画像のレジストレーション(registration)もしくは位置合わせ(aligmnent)と呼ばれる処理です。この他にも、動画像中の剛体トラッキングや、医用画像における非剛体位置合わせなど、レジストレーションは幅広い分野で用いられています。
このチュートリアルでは、2Dレジストレーションと3Dレジストレーションの手法を解説します。2Dについては剛体・非剛体の画像レジストレーションの原理と応用例を紹介します。3Dについては、3次元点群データ(point cloud)の処理に特化したライブラリであるPCL (Point Cloud Library) の利用方法の紹介も交えて、3次元点群の剛体レジストレーション手法を解説します。また、3D非剛体レジストレーションの初歩的な理論も紹介します。

【こんな方にお薦め】
・画像や3次元データのレジストレーションを学びたい方
・いろいろな応用にレジストレーションを利用してみたい方
・レジストレーションのツールを使ってみたい方
・PCLを用いた3D point cloudの処理を学びたい方



16:00~17:30 (90分)
動的計画法のすすめ ~簡単・安定・多用途な最適化法~
講師:内田 誠一(九州大学)

略歴:
1992年九州大学修士課程修了。セコム(株)IS研究所勤務を経て、2007年より同大教授、現在に至る。
2003年PRMU研究奨励賞、2006年MIRU長尾賞、2007年ICDAR(文書文字認識に関する国際会議) Best Paper Award、2009年電子情報通信学会論文賞、2010年ICFHR(手書き認識に関する国際会議) Best Paper Award、2011年MIRU優秀論文賞、各受賞。
 動的計画法(DP)は非常に強力な最適化ツールとして、1970年代から現在に至るまで、画像処理・コンピュータビジョン・パターン認識において広く利用されています。大局的最適解が保証される点をはじめ、実装が簡単、数値的に安定、学習も不要、多様な応用・拡張が可能といった利点を持っています。本講演ではDPの原理や用途など、使いこなすための知識をご紹介させていただきます。

【こんな方にお薦め】
・少しでもロバストなマッチング・トラッキング・セグメンテーションが必要な方
・何となくトレンドな解探索法を使っている方
・DPは知っているが、原理はよくわかっていない方・もっと使いこなしたい方
 
 
 

主催:画像センシング技術研究会 (会長:輿水大和)実行委員長:久野義徳